About
1870年代後半にトーマス・エジソンが円筒式蓄音機を発明してから150年あまり……。2020年代の現在に至るまでに多くの音楽メディアが開発され、世界中の人たちの音楽ライフを支えてきました。
以後、円筒式やSPレコードの蓄音器に始まり、LPやEPと呼ばれるレコード、カセットまでのアナログ全盛期を“第1波”とするなら、1980年代末から一般化していったCD/MD、配信販売やリッピングなどのMP3データに代表されるデジタル勃興期を“第2波”となるわけです。さらに、2010年代中盤からのサブスクリプション・サービスを中心としたDL/ストリーミング・サービスを介してデジタル席巻期を“第3波”と分類できるでしょう。
しかし、そんな中で意外なムーブメントが確実な盛り上がりを見せているのです。それが、2020年を境に顕在化したアナログ・レコードの再注目。2020年度から2023年度の4年間で生産枚数が約2.5倍になるなど、このムーブメントは音楽ファンたちの間だけでなく、アナログ・レコードの復権=“第4波”として世界的に認知されています。
このような世界的なレコード・ブームの中で、日本においても発売タイトル/販売枚数ともに着実な拡充を遂げているのですが、レコード・プレスを中心とした供給体制の不足もあって、クオリティやバリエーション、製造枚数などの面でユーザーのニーズに完全に対応しきれていないのが現状なのです。
そこで、東洋レコーディングでは既に立ち上げていたレコード・プレス事業を“第4波”に積極的に対応すべく再編成し、“FOURTH WAVE RECORD FACTORY”として新たにスタートします。
“FOURTH WAVE RECORD FACTORY”の特徴は、世界中から要望の多いMade In Japanのクオリティを保つことです。そのために、国内の音楽エンジニアのトップ集団である“ミキサーズラボ”にレコード製造にまつわる各工程をディレクションしていただいています。加えて、国内外からのOEM製造を受注できる体制を社内で再構築。新たに外部プロデューサー/セレクターとタッグを組んだ独自のリイシューやコラボレーション企画に加え、ライブ音源のレコード化などにも取り組んでおり、アーティスト/ミュージシャンの目線に立って企画立案からプレス、販売、収益化までを一括して担えるシステムを構築。マーケットの活性化やアーティスト・サポートにも積極的に参画していきます。
これまでのレコード・プレスの受注事業から、企画/カッティング/プレス/販売をトータルで展開できる“レコード・ファクトリー”として、“FOURTH WAVE RECORD FACTORY”は“第4波”の一翼を担っていきたいと思っています。